そぞろ歩きな日々

自分の目で見たもの・体験したことだけを伝える雑記ブログ

『第1弾!!』実験動物飼育の仕事は辛い??(よく質問される事をまとめました)

(記事作成2022.6.21更新2022.8.11)

  • 動物実験の仕事って大変??
  • どんな動物を使ってるの??
  • 人には言えない秘密の実験したことある??

これらの疑問にお答えします。

 

動物実験の仕事について、ぼくが今までに頻繁に質問された事をまとめてみました。

動物を取り扱う仕事に興味あるかたは、ぜひご覧ください。

 

動物実験の仕事に関する質問・疑問

現在は退いたが、9年間ほど動物実験の業界に身を置いていた。

 

実験の詳細などの繊細な内部情報には一切触れないが、個人的な心情や思いなども合わせて綴っていこうと思う。

 

 

仕事は辛い??

入社を決めたときから、自分がどんな仕事をするのかは想像がついていたし覚悟があったので、仕事を辛いと感じる事はなかった。

 

仕事柄「動物の死」に接する機会が多いので、その点では色々と考えさせられるものはあったが、だからと言ってそれを理由に仕事を辞めたいと思った事は一度もない。

 

 

困った事はある

いちばん困ったのが

「仕事は何をやっているの??」

と聞かれたとき。

 

動物実験に否定的な人は思っている以上に多いので、質問されても相手を選ばないと不毛なトラブルに発展しかねない。

 

仕事を聞かれても公務員や介護士など、職業として理解が得やすく知名度があれば答えやすいだろう。

しかし、さすがに「動物実験の作業員です」とはなかなか言えなかった。

 

聞かれても

「会社員です。。。」

とその場をやり過ごすことが多かった。

 

 

 

動物の仕事ならたくさんあるのに、なんで動物実験を選んだの??

本音を申すと、まともな仕事先が動物実験の会社しかなかった。

 

実を申すと、動物園の飼育員になりたくて専門学校に入学した。

しかし、研修と就職活動時に業界の待遇について知り

「これじゃ生活できないな。。。」

と思ってしまった。

 

 

給料が・・・

全国でも有名な私立の動物園に研修に行ったときのことだ。

そこの一部の飼育員さん達は、動物園が閑散期のときはファミレスでアルバイトの副業をしていた。

 

40代前半でも、来客が少ない月の給料は20万円を下回ることもあるらしい。

 

もちろんこれは一例だが、動物業界は他の業界に比べると給料が低いのは確かだと思う。

 

 

夢と現実

トリマーや動物看護師・警察犬訓練士といった職業も、求人票の初任給は12万のところが多かった。

もっと安いと初任給が10万円の会社もある。大学生のアルバイトのほうが稼げると思う。

 

20代ならまだ我慢できるかもしれないが、年齢を重ねても年収300万円以下だと余裕ある生活とはいかないかもしれない。

 

好きを仕事にするのは理想だけれど、動物系の職種でそれを実現するにはかなりの覚悟が必要だと思う。

 

 

 

動物が飼育されている環境は??

正直、人間よりも清潔な環境で飼育されている

 

掃除は毎日行われるし、24時間365日フルで部屋の換気され、部屋の湿度・温度は設定の範囲内で管理していた。

 

YouTubeでは劣悪な環境で飼育されている動画が出回っているが、あれは業界をまったく知らない人が想像だけで作成したものが大半だ。

 

場面の一部だけを都合よく切り取り、感情を煽った再生数稼ぎがほとんどなので、あまり真に受けないほうが良い。

 

 

愛護・コンプライアンス重視

一昔前、たしかに実験第一主義な時代があったのは事実。

 

しかし平成・令和と時が進むにつれ、次第に法令遵守の精神が重んじられるようになる。

 

動物愛護や福祉の観点からも、実験動物数の削減や苦痛の軽減を第一に考えるようになった。

 

法令意識や実験の形態も時代とともに変遷しているので、どんなに小さな会社でも過去のような劣悪な環境下で飼育している施設はまずないだろう。

 

 

どんな動物を扱ってるの??

マウス・ラットの小動物を扱っていた。

(まあ、ネズミ君だよね)

 

当たり前だが、動物は「実験動物専門のブリーダーの会社」から買っている。野生動物やペットショップの余り物を使っているというのは、とんでもないデマである。

 

他に実験に供される動物は、、、

  • サル
  • イヌ
  • モルモット
  • ハムスター
  • ウサギ
  • ブタ

が多く使われている。

 

20年ほど前はフェレット・チンチラ・ネコを実験で使っていたところもあるようだ。

しかし、今現在そのような動物たちが使われているという情報は聞いたことがない。

 

 

 

職員は動物好きの人が多いの??

血も涙もない人が多い業界イメージだが、そんな冷酷サイコパスな人間と出会ったことがない。

動物系の学校を経て入社した人がほとんどなので「動物が好き」という性格が根底にある。

 

動物実験も命ある動物を扱う仕事なので「生き物に無関心」な人は携わってはいけないし、そもそもこの業界には向いていないと思う。

 

 

 

 

 

 

地下研究施設ってあるの??秘密の実験やってる??

この質問は、めっちゃくちゃ多かった笑

期待させて悪いが、ハイブはないし生物兵器の研究も一切していない笑

 

現実は、実験するにも厳しい審査を経ないと承認されないので、製薬企業が暴走して収集がつかなくなる・・・って事は日本においてはあり得ないだろう。

 

ただ・・・

もしかすると世界のどこかではヤバい計画が進んでいる可能性はある・・・かも??

 

 

AIが発達しても仕事はある??将来性は??

今から約40年前の1980年代の頃から

「動物実験はもう無くなるよ」

と囁かれていたようだが、令和の今でも仕事はちゃんと残っている。

 

その間、吸収合併や事業の大幅な縮小は幾度もあったが、職業自体が無くなることはなかった。

 

愛護の観点から実験に使う動物の数を減らそうという試みもあり、実験動物数は年々減ってきてはいるものの、今すぐに職を失うほどの切羽詰まった状況ではない

 

 

じゃあ、安心して働ける??

動物を使った試験はどんどん減っていく流れではあるが、実験はまだまだ動物に頼らざるをえないのが現実。

実験に動物を100%使わない時代の訪れは、もう少し先になるだろう。

 

しかし、科学技術の目覚ましい発展は勢いを増していく一方なので

「この業界は安泰だ」

と油断するのは禁物だと思う。

 

20〜30年後も今の会社で働いていると安易に考えず、他の業界へ転身する準備やスキルアップは常に意識したほうが健全だと感じている。

 

 

第2弾の体験談も記事にしました

今回だけでは語りきれなかった事は第2弾で綴っている。

 

 

 

興味あるかたは、ぜひご覧ください。

まずは第1弾、最後までご覧いただきありがとうございました。