(記事作成2021.1.7更新2021.1.9)
前回はツーリング2日目の朝を迎えたところで区切りました。
これより第3部のたび日記となります。
どうぞ(・∀・)/
名もなき枯れ木群
本日はいよいよ「本州最東端、魹ヶ埼」の踏破を予定している。
数年越しに描いた夢を、ようやく叶えることができそうだ。
遠野市を後にして国道283号線で、まずは釜石方面へと向かい太平洋沿いを北上するとしよう。
山深い峠道を走っていると、右側に気になる景色を発見した。
地図を広げて現在地を確認してみた。おそらく、観光地化されていない無名な場所だろう。
閑寂な雰囲気をまとっていて、心がとても落ち着く深閑なスポットだ。
不規則に立ち並ぶ枯れ木は、北海道の野付半島にあるトドワラを彷彿させる。
この場所だけ時間が止まったようだ。
動物の鳴き声、木々のざわめき、川のせせらぎなどの自然の音さえまったく聞こえない。
でも、こんな不気味で謎めいた「無の空間」がぼくは大好きだ。
2時間ばかし、散策したりまんじりもせず体育座りでボーッと過ごしたので・・・
そろそろ再出発するとしましょうか。
苦労を乗り越え掴む夢
国道45号線にぶつかったので、あとはひたすらに「魹ヶ埼」へと向かうとしよう。
重茂半島線へと分岐して、車のすれ違いに難儀する狭路をやり過ごし、ようやく「魹ヶ埼」の駐車場に到着。
ここからはninjaを降りて徒歩で移動だ。山道に入っていくので、念のためクマ鈴を携帯する。
駐車場から10mほど歩くと、のっけから傾斜がある砂利道が歓迎してくれた。
足を踏みだすたびに小石でズルズル滑り、めっちゃ歩きにくい。。。
足元が悪い坂をあがると舗装路になっていた。
木々の隙間より、駐車場に止めているninjaさんをチラッと確認。
こうやって高台より見下ろすと、650ccのバイクが子ども用の自転車のように小さく感じてしまう。。。
舗装路の安堵も束の間、山賊や獣が待ち構えていそうな山道を、ただただひたすらに歩いていく。
右側は、転がり落ちたら大変なことになる急斜面だ。
左側は鬱蒼とした深緑のベールに包まれていて、なんとも神秘的な世界が広がっていた。
すれ違う観光客もいないので、大声出して歌いながら進むとするか。
熱唱しつつ、駐車場から休憩なしで1時間以上ぶっ続けで歩いて、
そしてついに・・・
本州最東端、踏破!!!!
2014年より夢に見ていた「四端踏破」を、ついに達成した瞬間だ!!!
山道の終点「魹ヶ埼」は、スリリングで秘境感にあふれている。
「大間崎」「潮岬」「毘沙ノ鼻」の石碑は駐車場からほど近いので楽勝だが、
「魹ヶ埼」は簡単に到達することを許さないラスボス感がある。
ゴツゴツした岩肌と寂れた灯台。
空と海をきっぱり分けた水平線。
無限に浮き広がっている秋の雲。
そんな無骨でシンプルな風景が、ひとり旅の旅情感を演出してくれるのだ。
崖の際に座り、2時間ばかし感傷に浸っていた。訪れる人はまったくいないので、この瞬間だけはぼくだけの空間だ。
・・・さあ、いつまでもこの場所に留まっていたいが、重い腰をあげて去るとしようか。
夕刻時の情景を見届けたかったが、1時間以上かけて駐車場に戻ることを勘案すると、陽が照っているうちに山道を抜けたほうが良さそうだ。
深閑な山道を、一歩一歩強く踏みだすたびに「チリーンチリーン」とクマ鈴の伸びがある音が鳴きわたっている。
ときおり
「ガシャガシャ」
と、木々の向こう側から聞こえるたびに体がビクッと反応してしまう。
本州最東端の踏破と本州四端踏破を同時に達成した喜びを強く噛みしめつつ、ツキノワグマとのよもやな遭遇に怯えながら、足早に本日の宿泊地へと向かうのであった。
連泊します!!!
秘境の魹ヶ埼に別れを告げキャンプ場へと向かう。
今回お世話になるのは「姉ヶ崎オートキャンプ場」
詳細は以下の通りだ。
- 1泊1050円(フリーサイト)
- ゴミ捨てOK!!!
- 乗り入れ禁止(駐車場はサイトの目の前なので、荷物を運ぶのは苦ではありません)
- 休暇村宮古にて入浴可能(510円。タオルは持参で)
ホームページはこちらから↓↓↓
www.qkamura.or.jp
本日は、完全ソロキャンプ。
ぼく以外に誰もいない。
天気予報を見てみたら、どうやら夜中に雨が降るようだ。
でも、テントの真上は枝が縦横無尽に迫りだしているので、ちょっとした雨よけになるかな??
風呂を浴びてテントに戻ったら、晩飯の麻婆豆腐を作った。
今日は1日歩きっぱなしだったので、腹がめっちゃ減っている。
お酒を飲みながら、ふと夜空を見上げてみた。
満天の星空がいちめんに煌めき、天の川のような筋状の薄雲が、ゆっくりと北の方角へと泳いでいる。
夜中に雨が降る予報だったが、どうやらそれは外れたらしい。
都会の摩天楼ではぜったいに見られない情景に、眠気も吹っ飛び、取り憑かれたかのようにまんじりと見入ってしまう。
ツーリング2日目は、達成感と幸福感に満ち満ちた大勝利で幕を閉じるのであった。
第2部、最後までご覧いただきありがとうございました。